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2020年度 建築学科 新入生の皆さんへ

新入生の皆さん ご入学おめでとうございます。ご家族、ご関係の皆さまにも、心よりお祝いを申し上げます。

大学HPよりご案内致しました通り、学事日程も大幅に変更され、人類にとって経験したことのないようなこの戸惑いの多い状況のなか、不安を抱えながらも逞しく日々を過ごされていることと思います。これからの学生生活がみなさんの人生において大変充実した貴重なものになるよう建築学科一同でサポートしていきます。

大学入学早々からこのような困難に直面する状況は尋常ではありませんが、平穏に戻ってからも、戻る前も、私たちは貴重な時間をどのように過ごすべきか個々に問われていると思います。この時期に何が正しい情報かを見極め、どのような判断をし、どのような行動をとるべきか、自分自身に問いかけ、落ち着いて、忍耐強く実行することが大切です。その自身への問いかけは、これから建築を学んでいく道のりにおいて大きな礎となるものと信じています。私たちもみなさんと一緒に、知的好奇心、探究心、高い志をもって、この今の状況とその先を見つめ、新たな高みを目指したいと思います。

古代ローマ時代の建築家ウィトルーウィウスは、著書『建築十書』の中で、建築を成立させる「用・強・美」の三原則について述べています。言い換えると、建築には、機能・用途、構造・強度、美しさ・歓びのいずれも欠けてはならないということです。そのため、古くから建築家とは、あらゆる分野と関わることができる人材だとされてきました。今日においても、建築の世界は幅広いものです。本、メディア、映画、音楽、絵画、文学から科学まで、さまざまな世界の中にその関わりが見いだせるというのが建築の面白さであり、多様性であり、豊かさでもあります。

いま世の中にどんな建築があるのか、どの地域にどの様な建築が建てられてきたのか、社会の中で建築はどのような役割を担ってきたのか、本来は専門的な学習と並行して思考を巡らすものですが、その思考の旅は今から始めてください。まず、あなたはどんな建築に力づけられるのですか?

建築というものは色々な分野の協働により実現する世界です。私たちもみなさんを受け入れ、一人ひとりの力を引き出すために力を合わせ、知恵を出し合い、そして、一緒になってこの状況を乗り越えていきたいと強く願っています。

今後も、大学HPの案内、そして、学科HPからのお知らせなど、随時ご確認ください。授業やゼミで皆さんにお会いできることを教職員一同楽しみにしています。

建築学科一同

学科長 加嶋章博